墓石の正面に刻む「小林家」の文字と、裏面に刻む建立年月・建立者名を書かせていただきました。
石に刻まれ、これから先も長く残っていく文字。
このような大切な文字を書かせていただけたことを、とても光栄に思います。
墓石の形に合わせて、縦書きと横書きで制作
制作を始めた時点では、墓石を縦型にするか横型にするか、まだ決まっていませんでした。
そのため、どちらの形になっても比較できるよう、正面に入れる「小林家」を縦書きと横書きの両方で制作しました。

楷書・行書・隷書を書き比べてご提案
「小林家」の文字は、一つの書体だけではなく、さまざまな雰囲気で書き比べました。
きっちりと整えた楷書、柔らかさを持たせた楷書、軽やかな行書、流れのある行書、そして隷書。
同じ「小林家」という三文字でも、書体や線の表情によって、受ける印象は大きく変わります。

それぞれを見比べていただき、最終的に選んでいただいたのは、隷書で書いた「小林家」でした!
隷書の持つ柔らかくおおらかな雰囲気が、故人のお人柄とよく合っていたこと。
また、本家のお墓に刻まれている文字も隷書だったことから選んでいただきました。
裏面の建立銘は楷書で
墓石の裏面に刻まれる建立年月・建立者名は、読みやすい楷書で書きました。こちらも墓石の形が決まる前から検討できるよう、こちらも縦書きと横書きの両方を用意しました。
実際に石へ刻まれることを考えながら、文字の大きさや間隔、全体の配置を調整しています。
書家名として「真歩書」も
墓石の正面には、「小林家」の文字とともに、書家名として「真歩書」も入れていただきました。
本家のお墓にも、文字を書いた書家の名前が「〇〇書」と刻まれていたことから、今回も入れてはどうかと提案していただいたものです。
自分の書いた文字と名前が墓石に刻まれ、これから先も残っていくと思うと、身が引き締まるような気持ちになりました。

設計・施工は株式会社 角替石材店様に
今回、お墓の設計・施工を担当してくださったのは、株式会社 角替石材店様です。
完成後の姿をイメージしやすい3Dの立体図面をはじめ、さまざまなデザインをご提案いただきました。
文字の配置や大きさについても細やかに確認・調整してくださり、安心して制作を進めることができました。最後まで丁寧にご対応くださり、本当にありがとうございました。
長く残る文字を書かせていただいて
お墓のあり方も少しずつ変わっている今、まさか自分が墓石に刻む文字を書かせていただけるとは思っていませんでした。
そして、この文字を書かせていただいた年は、私自身が書道家として一歩を踏み出し、本格的に活動していくことを決めた年でもありました。
普段制作している作品とはまた少し異なり、石に刻まれ、長い年月にわたって残っていく文字です。
書体や配置を一つずつ考え、相談を重ねながら形にしていく時間も、私にとって大切な経験となりました。なかなか経験することのできない大切な文字を書かせていただけたことを光栄に思います。
制作から完成までの様子を、動画でもご紹介しています。
